面談をしていると、同じアドバイスをしても全く違うように受け取られているなと感じます。
「初デートは食事だけ。話題は雑談でいいのよ。でも、軽い話題だけでなく、学生時代や、子供時代の思い出話もおすすめ。
結婚のことや将来のことを話すとまだイメージできないし、さりげなく一つ二つ話題に出すくらいがいいね」
と、同時期に二人の方にアドバイスしました。
Aさんは、「初デート、石塚さんの言う通り軽い雑談だけ、コロナの話して終わりました~」
Bさんは、「石塚さんがどんどん将来の話していきなさいっていうから、どんどんお話しました~」
いや、聞いてた?人の話っ!
同じアドバイスをお伝えしても、受け取る際には「自分のフィルター」を通して受け取るので、自分に都合のいいように受け取られます。
恋愛下手の方は、お互いの内面に触れない軽い話題だけして恋愛が進展しない。
結婚をゴリゴリ進めたい人は、結論に直結する話題だけして、相手に引かれる。
ですからカウンセラーはその会員さまにどう言ったら伝わるか、考え抜いてお伝えしています。
その結果、Aさんには「もっと踏み込みなさい」とBさんには「踏み込みすぎないで」と真逆のアドバイスを送ることになります。
(だからネットに落ちている婚活情報って「あなたの」役に立たないんですよね。自己流に解釈されるから)
さて、人は「見たいものしか見ない」とお伝えしました。
今日は「裏切り」ということについて考えてみます。
婚活者さんからのご相談でこのような話を聞くことがあります。
「今日のお見合い交際希望です♪
写真よりかっこよくて、すごく感じのいい人で、話が盛り上がって、終わり掛けには『次は〇〇にドライブ行ってみましょうよ』『はい、ぜひ♪』ってお話してきたんです!
あかりさん、私、出会っちゃったかも!」
と報告があったのに、相手からはお断りでぎゃふん。
「ちきしょー、相手が一枚上手だったね」
「やられましたわ」
「そんなリップサービス過剰なのにね」
「友達にも「出会っちゃったかも」と報告しまくって、大恥ですわ。でも・・・」
「でも?」
「今思えば、なんですが。駅まで一緒に歩いたんですが、その時ちらっと相手の横顔を見たら真顔で。冷たい目をしていました」
「あー」
脈ありと思ったらなかった。婚活あるあるですね。うちですら週1回はこのような行き違いがありますから、全国では毎週1000件以上、同じ思いをしている人がいます。
石塚も当然、経験していますよ。「うーん、今日のお見合いの人、77点かな~」と上から目線で友達に報告して、先方はお断りとか笑。プライド粉々でした。
人は、見たいものを見てしまう、ということです。
相手が素敵な男性というのも勘違いですし、話が盛り上がったと感じるのも勘違い、自分への好意も勘違いです。
相手は「ちょっとキミは違うかな~」というメッセージを出していたり、冷めた顔をしていたかもしれないですが、それは見たくないから見なかったのです。
さて、お見合いや交際の結果、相手とご縁がなかった、というのは事実は事実です。
そこに、どういう意味付けをするのかは、いつも選択できます。
「裏切られた」という言葉を自分に与えるか。
「私は誠実なのに、相手は不誠実だった」ととらえるか。
それとも、「相手のお気持ちですから、仕方ないことですね」という言葉を与えるか。
「相手も自分も悪くなく、うまくやっていけないという事実だけある」ととらえるか。
これがフィルターです。
そして、「裏切られた」という認識をすると、次の出会いはそのフィルターを通しての出会いになります。
相手を疑い、信じず、心を開かず。という人間関係しか築けなくなるでしょう。もちろん恋愛も進捗しない。
この世は、自分をだまし、信じたら足元すくってくるようなそんな人間しかいない世界に生きているわけですので・・・。
それは本当に孤独の世界。
結婚している、していない以前に、独りぼっちで生きる世界です。
「見たいものを見て、聞きたいように聞いてしまう」ことは、未熟で煩悩にまみれた人間の仕方ない性質です。
純粋で、心優しい人ほど、「裏切られた」と感じる出来事は多いはずです。
でも、それは別に大したことじゃない。そんなときほど人と関わることをあきらめないでほしいと感じます。
「裏切られた」のではなく、「合わなかった」だけ。
裏切られたと感じて、婚活を止めたり、卑屈にねじまがるほうが100倍不幸です。
「今回はこの経験で学ぶことがあった」
次の出会いではより一層、相手を理解できるように接していく。その積み重ねが結婚につながりますよ。